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電気をつくるには

私たちが日頃、テレビを見たり、エアコンを使ったり、お湯を沸かしたりするには「電気」を利用しています。
電気を作り出すためには、いろいろな方法がありますが今、日本では主に「火力発電」と呼ばれる発電方法で電気が作られています。火力発電は、石油や天然ガスなどの燃料を燃やして電気を作ります。
しかし、これらの燃料は量に限りがあり、将来なくなってしまうと言われています。また、燃やすときに地球温暖化の原因になる「二酸化炭素」という物質を出してしまいます。地球温暖化は、地球の温度がどんどん上がっていくことで、環境や私たちの生活にとても悪い影響を与えてしまいます。
そんな中、最近は石油や天然ガスを使わずに電気を作り出す方法に注目が集まっています。その代表的なものが太陽エネルギーを使った方法です。太陽エネルギーは太陽がある限り無くなることはありませんし、電気を作るときに二酸化炭素を出さないという特徴があります。
太陽エネルギーは「太陽光発電システム」や「太陽熱利用システム」というものに利用されています。太陽光発電システムは太陽の光で電気を作り出すシステムのことで、太陽熱利用システムは太陽熱を利用してお湯を作ったり冷暖房に利用するシステムのことを言います。

良いことがいっぱいな太陽エネルギーは、
これからますます使われていくことが期待されています。

太陽光発電システムって何?

太陽光発電システムとは、太陽の光を使って電気を作るシステムのことです。

昔から使われている、物を燃やして電気を作る火力発電などと違って、発電する時に二酸化炭素を出さないのが特徴です。発電した電気はテレビや冷蔵庫など、家庭で使うことができます。また、家庭で使いきれなかった電気は電力会社に売ることができます。

太陽光発電システムの仕組み

①太陽光パネル

太陽の光を受けて、電気を作ります。太陽のない夜は発電できませんが、曇りや雨の日の様な太陽が隠れている時は少し電気を作ることができます。

②接続箱

太陽光パネルで発電した電気を1つに集めます。

③パワーコンディショナー

太陽光パネルで発電した電気は、直流電力といってそのままでは家の中で使えない電気なので、家の中で使える「交流電力」に変えています。

④分電盤(ぶんでんばん)

電気を各部屋に送ります。余った電気は⑤電力量計を通って電力会社へ送られます。

⑤電力量計

発電して余った電気は電力会社に売ります。売った電気の量はこの電力量計で量ります。

他の発電方法と比べたメリット・デメリット

長所

  • ・発電時に二酸化炭素を排出しない
  • ・長期間利用できる
  • ・発電して余った電気を売ることができる

短所

  • ・値段が高い
  • ・発電効率が低い
  • ・発電量が天気に左右される

太陽光の発電所

メガソーラー」って言葉を聞いたことはありますか?「メガ」とは「100万の」「大きな」という意味です。
「ソーラー」は「太陽」という意味なので、つまり「大きな太陽光発電」のことです。

出力が1000kW(1MW)以上の発電所のことをメガソーラーと言います。
近頃は石油や天然ガスを使わずに電気を作り出す方法に注目が集まっているので、全国各地にメガソーラーの施設がどんどん作られています。

発電している屋根をさがしてみよう

家の屋根に黒っぽい鏡のようなパネルが付いているのを見たことありますか?それが太陽光パネル(太陽電池)です。
太陽光発電システムは、いろいろな種類のパネルがあって設置方法も様々です。設置するところは屋根だけでなく、かべや窓に取り付けられるものもあります。その代表的な設置方法を紹介します。

●勾配屋根置き型(こうばいやねおきがた)
屋根の上に架台(※1)を取り付けてその上に太陽光パネルを設置する方式です。
パネルの種類や枚数が選びやすく、もうすでに建っている家に設置する場合この方法が多く使われます。

※1:架台(かだい)
太陽光パネルをのせる台のことです。パネルを支えるのはもちろん、地震があったとき、パネルに雪が積もったときの重みなどにも耐えられるように設計してあります。

●屋根建材型(やねけんざいがた)
屋根建材型とは、屋根材に太陽電池が組み込まれた「建材一体型」と太陽電池自体が屋根材となる「屋根材型」があります。これらの方式は新しく建てる家に多く使われます。
屋根建材型は勾配屋根置き型と違って、架台はいらないのでその分の重さが軽くなります。
また、屋根と太陽電池が一緒になっているので見た目が良いという特徴もあります。

●陸屋根型(ろくやねがた、りくやねがた)
陸屋根とは、屋根にかたむきがなく平らになっている屋根のことです。
平らな屋根なので、太陽光パネルを設置するかたむきや方角などを自由に決めることができます。屋根の面積が大きいので、屋根全面に多くのパネルを設置できます。ただし、他のかたちの屋根に取り付ける場合と比べて架台の部材がたくさん必要なので、値段が高くなってしまう可能性があります。屋根の状態や取り付け方法によっては屋根の防水工事が必要になることもあります。

★切妻屋根(きりつまやね)
2つの面が山形のかたちをしている屋根のことを「切妻屋根」と言います。
屋根の面が南北に向いている場合、南面に太陽光パネルを設置できれば効率よく発電できますが、屋根の面が東西を向いている場合には、南面に設置したときと比べると発電量が落ちてしまいます。
★寄棟屋根(よせむねやね)
屋根の面が4つあって、それらが4方向に流れている屋根を「寄棟屋根」と言います。
4方向に屋根の面があるため、発電効率(※2)が高い南面にも必ず屋根が向いています。一つ一つの屋根の面が小さいのでたくさんの太陽光パネルを設置できません。そのため、寄棟屋根の場合は南面だけではなく東西面も利用して太陽光パネルを設置するのが一般的です。
★陸屋根(ろくやね、りくやね)
かたむきがなく平らな屋根のことを「陸屋根」と言います。
太陽光パネルを設置するかたむきや方角などを自由に決めることができます。
屋根の面積が大きいので、屋根全面に多くのパネルを設置でます。他のかたちの屋根に取り付ける場合と比べて架台の部材がたくさん必要なので、値段が高くなってしまう可能性があります。
★片流れ屋根(かたながれやね)
屋根の面は一つのみで、それが一方向に傾いている屋根を「片流れ屋根」と言います。
片流れ屋根は、切妻屋根と同じように屋根の向きによって作られる電気量が大きく変わってしまいます。南向きの屋根に取り付けた場合、効率良く発電することができますが、北向きの屋根の場合はあまり発電することができません。
片流れ屋根に太陽光パネルを取り付けるのは、屋根が南向きになっているときです。北向きの場合は発電効率が大きく落ちるので一般的に設置しません。

※2:発電効率
パネルに当たった太陽エネルギーをどれくらい電気エネルギーに変えることができるのかをあらわしたもの

太陽光発電の仕組み

太陽電池の仕組み

太陽電池は、太陽の光エネルギーを電気のエネルギーに変える電池です。
太陽電池は、種類の違う2つの半導体(はんどうたい)を重ね合わせ作られています。半導体の中には+(プラス)と―(マイナス)の性質をもった粒子があり、最初はそれぞれくっついています。そこに太陽の光が当たると、+はp半導体へ、―はn半導体へ分かれます。
+と―は元に戻ろうとする力があり、そこに通り道を作ると―が+の方へ動き出します。
この流れが「電流」となり、電気を生んでいます。

発電量モニター

・どのくらい電気を作っているか
・どのくらい電気を売っているか
・どのくらい電気を買っているか
・お家でどのくらい電気を使ったか
などを目で見てその場で分かるように画面へ表示します。
中にはパソコンやスマートフォンでも状況を見ることができるようになっているものも販売されています。

スマートグリッド

電力を、送る側(電力会社)ともらう側(家庭や工場など)の両方から調節し、電力の流れを最適にすることです。
これまでは、一日で電気を最も使う時の量に合わせて電力会社が発電を行っていました。これでは、あまり電気を使わない時間帯に多くのムダが出てしまい、燃料のムダ使いや、環境への悪いえいきょうにもつながります。これをムダなく、その時の電気の使用量に応じて発電する方法が必要です。

その方法が「スマートグリッド」です。その時の電気の使用量を電力会社へ伝えるためには「スマートメーター」という機器が必要です。
スマートメーターは、メーター内に通信機能を持っていて、家や工場で使っている電気量などの情報をすぐに電力を送っている場所に伝えることができます。この機器を家や工場に取り付けることによって電力会社は、どの場所でどのくらいの電気が使われているのかをすぐ知ることができます。電気をたくさん使っているときは自動的にたくさん発電したり、反対に、使用されている電気が少ないときは発電する量をおさえてムダを無くすことができるようになります。
スマートグリッドは、インターネットを使う時と同じようにウイルスや不正アクセスなどが起こる可能性があるのでまだ実験中です。このようなムダをへらす事も環境を守るためにはとても大切なことです。

太陽光発電の仕組み

太陽電池の仕組み

電力のピークとは、各家庭や会社などが最も電力を使用する時間帯のことです。
電気は基本的に作り置きができないので、全員が同じ時間帯に電気を使用すると電力会社が発電できる量を超えてしまう可能性があり、停電する家庭や会社がでてきてしまいます。

停電したらこんなことができない!

・照明が使えない
・テレビが使用できない
・携帯電話の充電ができない
・冷暖房が使用できない
・自動ドアが開かない
・エレベーターが使えない
・お店で買い物が出来ない

このような危険を避けるために、「ピークシフト」という試みがあります。
ピークシフトとは、電力が一番使われる時間帯(特に多いのは夏の13~16時)を避けて電気を使用することです。ピークシフトによって、使用する電気量が電力会社で作る量を超えないようにし、停電を起こさないようにできます。

ピークシフト機能のついた製品には「ピークシフト自販機」、「ピークシフトパソコン」などがあります。
「ピークシフト自販機」は夜の間に冷したり温めたりするもので、「ピークシフトパソコン」は、夜の間に充電を行い、昼間は自動的にバッテリーへ切り替える機能がついています。

太陽光発電は、電力のピークである夏の昼間に多くの電力を生み出すことができるためピークシフトにも役立つと言われています。

夏の節電

夏場は冷房の使用などで電気の使用が増える季節です。
電気を節約する方法を紹介します。みんなもやってみましょう☆
・冷房時の室温は28℃を目安にする
・グリーンカーテン、すだれをつける
・冷蔵庫の開け閉めは、少なく、素早く
・使わない電気はこまめに消す
・使用しない家電製品等はコンセントから抜く
・おうちのエアコンを消して大きなお店や図書館などに出かける
など、ちょっとしたことでもみんなでする事で、大きな節電になります。

電気を売ったり、買ったり

太陽光発電で発電した電気は、電力会社に売ることができます。
売る電気は、設置した太陽光発電システムの大きさで変わります。

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また、10kW未満のシステムは、作った電気のうち家で使わずに余った分を電力会社に売りますが、10kW以上の場合は作った電気全部または余った分を売ることができます。売られた電気は、おうちのまわりの家や会社・学校などに送られています。

曇りや雨の日は、晴れの日と比べて電気を作る量が少ないのでお家で使う分の電気を作りきれないことがあります。また、夜は太陽が出ていないので電気を作ることができません。そんなときは、電力会社から電気を買うことになります。電気を売ったり、買ったりの切り替えは自動的にやってくれるので安心して電気を使い続けることができます。

太陽エネルギーを多くの人に利用してもらうためには

太陽エネルギーを多くの人に利用してもらうために、東京都と東京都環境公社では次のような取組をしています。

イベント「TOKYO太陽エネルギーフェア」

都民のみなさんに太陽エネルギーのよさを知ってもらうために、東京都内のショッピングセンターなどで、「TOKYO太陽エネルギーフェア」というイベントをひらきます。

太陽光発電に興味はあるけど、どこに相談したらいいの?」という人も、「太陽光発電?よくわからないなあ」という人も、みんな集合!

フェアの会場では、太陽光パネルや太陽熱利用システムの実物を見たり、触ったり、使い方を聞いてみたりすることができます。
フェアの予定は「イベント情報」のページでお知らせしています。

●相談窓口

東京都地球温暖化防止活動推進センター(愛称:クール・ネット東京)

電話番号 03-5990-5065
09:00~17:00(12:00~13:00除く、土日祝・年末年始を除く)