調査目的
本調査は、ナッジ要素を考慮した広告案のデザインやキャッチコピーが実際の印象変化をどのように引き起こしているかについて可能な限り明らかにし、今後の広報媒体作成における参考とすることを目的とする。
調査方法
(1) 調査対象
東京都内在住者20歳~79歳の男女
(2) 調査時期
令和4年2月
(3) 調査方法
インターネット調査
(4) 調査概要
①ZEV購入意向と購入非意向理由
ZEV購入意向を調査し、調査時点において購入意向がない者に対してその理由を調査した。
②広告案に関する印象調査
4つの広告案のうち1案を提示し、その印象調査を実施した。
調査結果概要
(1) ZEV購入意向と購入非意向理由
「既に購入済み」が約1%、「今すぐ助成金を利用するなどして ZEV を購入したいと思う」が約3%となり、先行的な意向者は全体の約4%にとどまった。
一方で、保守的な非関心者「購入したいとは思わない」が約 62%と過半数を占めた。慎重な追随者「今すぐ購入したいと思わないが、いずれ検討してみたい」の34%と合わせると、約 96%にのぼった。この理由には、購入費用の高さに加え、「充電スタンドの設置個所が少ないため」、「充電に時間がかかるため」といった利用環境への信頼性の低さが伺えた。
ZEV 普及における課題は、車両価格・コスト面、インフラ面、車種・機能面に分類でき、いかにこのネガティブ要素を払しょくすることが出来るかが普及のカギになる。そのため、今後は単純な助成金紹介だけではなく、包括的に ZEV のメリットを打ち出しながら普及に取り組んでいく必要があると言える。
(2) ナッジ要素がもたらす広告案の効果
今回の調査では、全体的にナッジ要素の有無による広告案が意識変容の効果において優位な差はなかった。ZEVという自動車の中でも高額な商品について、ナッジだけでは意識変容や行動変容に至らなかった可能性や、広告案デザイン(表示方法)等に要因があると推測される。今回の調査結果を踏まえ、より効果的な広報の実施に向けた検証を今後行いたい。
一方で、ナッジ要素を含んだ広告案がZEVへの関心を生み、また費用感を分かりやすく表現した案に関しては、わずかではあるが、助成事業への具体的な関心を創出できていることが伺える。
令和3年度都民のZEV購入意向とナッジ要素がもたらす広告案の効果に関する調査について
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